職業お迎え待ち独居老人

東松山市在住


日々の出来事

▶独居老人とお酒。2023-3-10

東松山市というところへ移り住んで知ったのだが。東武東上線に乗って寄居方面へ4駅。小川町というところの酒造会社が3社もあることを知った。帝松、武蔵鶴、晴雲という蔵元。帝松は電柱の看板や飲み屋の看板でよく見る。武蔵鶴(2023年3月現在休業中)は駅から近い。青雲というのは初めて知った。ハイキングで東秩父村方面へ歩いていく途中。看板があった。なんだこんなところに線香屋があるのかと思ったらなかなか渋い蔵元だった。

蔵元内に”自然処 玉井屋”という飲食できるお店があったので入ってみた。この蔵元で作っている酒が全部飲めるようになってる。昼だったので定食と大吟醸を頼む。お酒。すっきりとした飲み口で非常においしい。直売もしているので買って帰ろうと思ったけれど、やっぱり清酒は重い。宅急便とも考えたが送料で腕を組んでいたら、東松山なら”晴雲支店”というのが箭弓稲荷神社のそばにありますよ。と教えてくれた。以後清酒はこればかりになってしう。晴雲支店は駐車場がなく道路に止めると顰蹙ものなので、丸広の地下で買うことが多い。もっとも、いつも大吟醸ばかりでは贅沢が過ぎるので、普段は”純米晴雲”というのを飲んでいる。これもなかなかで、すっきりした味わいはついつい酒がすすんでしまう。

つまみは何でも合うのだが、近くの農産物直売所へ行ってぬか漬け(秋から春は大根、カブ、キュウリ-少な目-、ニンジン。夏はキュウリ-多め-、ナス、ニンジン)を購入。さらにうれしいのは谷中のひね(生姜)があるのです。冷ややっこは谷中のひねで決まり。あとは干物でもあればいうことはない。ただこれらのつまみだと。医者に”最近塩分、気をつけてるー?"と言われてしまう。

ふちの薄いロックグラスでちびちびやりながら、時代小説を読む。時代小説といえば、なんといっても隆 慶一郎。酔いが回ったら寝てしまえばよい。幸せです。

あとウイスキーは”竹鶴”をずっと飲んでいた。近くの小さなスーパーに確か週2本くらい入荷していた価格も税別2,000以下で手に入っていたのが突然無くなってしまった。聞くところによると創業者をモデルにしたTVドラマが始まって品物が回ってこなくなったそうだ。価格もかなり高くなって贅沢品になってしまった。留保してあった分も飲み尽くし、仕方なくブラックニッカ ディープブレンド。これ少し熟成が足りないのかアルコール感が強い。ほんの少し水を加えると結構丸くなってよい香りがする。その後これを常飲していたが、ある日表記が”当商品には、一部輸入原酒を使用しています"。まー、会社の事情や都合があるので仕方ないのだろうが、がっかり感が強い。

輸入原酒が入っているなら、輸入酒でもいいんじゃない。とジョニーウォーカーの黒ラベルにした。価格もパッケージがなければブラックニッカ ディープブレンドとそれほど変わらず。世界最大のウイスキー会社、寄らば大樹の陰ということでまあ安心。

焼酎は鹿児島県薩摩川内市の山元酒造が作る"五代"。通年お湯割り。なくなった連れ合いのお父さんが飲んでいた。おいしかったので今でもたまに飲む。吉祥寺のデパートでは普通に売っていたが、東松山では探し方が悪いのか見たことがない。鹿児島、天文館通りの飲み屋では、店に入ってお酒といえば、芋焼酎とさつま揚げが自動で出てきた。今でもそうなのだろうか。

ビールは小江戸ビールがおいしい。最初は観光名物と際物扱いしてたのだが、どこかで飲んだら苦みのバランスが良くおいいしかった。

東松山市に醸造所ができたので一応地元びいきで飲むようになった。素人なのでピルスナー”COEDO 瑠璃-Ruri-”。大手のビールに比べて少し高いが、仕事もまだしているのでよしとする。いろいろな種類があるので試してみるのも一興。

近くにある国営武蔵丘陵森林公園内の食堂で飲のがおすすめ。初夏、新緑の中を歩いて汗をかく。そのあとで飲む”瑠璃-Ruri-”は格別。汗をかいた後は何でもうまいよと言われれば、まあそうなのだが。疫病が流行ってから、一時酒類が提供されなくなっていたがその後どうなったのであろうか。近々出かけてみよう。

体と頭が何とか動くうちは仕事をしよう。体を動かしているとあまり嫌なことを考えなくなる。周りとの付き合いだって、自分の立場を"用無し汚爺さん"と考えれば軋轢も起きない。社会との接点も持てる。土着の独居老人はまだ地盤があるが、移住者は仕事をしないと、人との関わりが一切なくなってしまう。それに良い酒などを自由に買うこともできる。嗜好品くらいは好きなものを自由に買いたいと思う。

▶理想の終わり方を考えた。2023-2-23

やはり独居老人の関心事で順位の高いものといえば自分の最後だろう。とりあえずきれいに終わりたい。人の手を煩わせたくない。楽に終わりたい。このあたりが一番気になる部分ではないかと思う。

孤独死は嫌だという人がいるが、終わりはみな一人。いくら付き添いがいても、自分の終わりに付き合ってくれるわけではない。連れ合いが亡くなった時だって、自分は見ているだけ付き合ってはやらなかった。連れ合いは一人で終わりを迎えた。観客などはいくらいても付き合ってはくれない。 室内で終わりを迎え、その後3か月。真夏のカレーなべ放置2週間と同様な惨状を考えたくもない。施設というのもなかなか辛い。入所者だって高齢者の初心者から終末期高齢者まで最大30年くらいの年齢差がある。それぞれ勝手に自己主張をする、わがままを貫く年寄りとの人間関係など想像すると滅入ってくる。急に倒れ痛み止めにも手が届かなくて、もがき苦しみ、カッと眼を見開き恨みがましい顔で終わるのもなんだか悲しい。

現在は少し血圧が高いくらいで他は何の問題もなく暮らしているが、少し先のことは全くわからない。認知症だっていつ発症してもおかしくない。親など係累の中に認知症になった人はいなかったが、発症する前に亡くなってしまったかもしれないし不安ではある。

いろいろと考えた結果、私の理想に合う終わり方を具体化してみた。

普段からいらない物は捨て身軽な生活ができるようにしておくのが大事。梅雨の少し前にあまり急峻ではない中程度の山へハイキングに出かける。できれば稜線が長く片側が沢になっていればさらによし。斜面は開けて広葉樹がまばらに生えている程度。稜線に休憩や食事がでるところがあればなおさらによし。持参したおにぎりと、アルコールストーブでお湯を沸かし、インスタントの味噌汁、沢庵などでゆっくりと食事。登ってくる途中でかいた汗も冷え、血管が遅くなる。そろそろ歩き出すかとしゃがんで靴の紐などを直し、立ち上がる寸前に”心原性脳塞栓"心臓から血栓が飛び出し、脳の毛細血管をふさぐ。そのまま意識もなく斜面を転がり落ちていく。途中で灌木に引っ掛かり止まる。あとは梅雨の季節。バクテリアがどんどん分解してくれる。数か月もすればほぼ骨のみ。沢筋に水を飲みに行く鼻息ふんふんのイノシシなどに踏みつけられ、筋肉のない骨などこれですぐバラバラ。頭骸骨など飛び跳ねながら沢の中へドボンと落ちる。秋の長雨、台風の豪雨などで沢が増水、流される途中で頭蓋骨もほぼ砕けバラバラ。そのまま海まで流れて自然の中に溶けてしまうのもよい。たまたまキャンプのできるような河原へ流れ着き、若い女の子が、"キャー見て見て、薄くて変な石だよー”と手に取ってくれれば行幸といわねばなるまい。

まー、一回でうまくいくわけもないので、繰り返しているとどんどん健康になり、行く末の不安を抱えて生きていく期間が長くなる。うまくいかなかったときは・・・・・・考えたくはない。

独居老人は倒れたらもう終わりなのだから介護保険を利用できない。それでオプションとして、メスキットみたいなものを独居老人の希望者に提供してもらえると嬉しい。注射器、オピオイド、睡眠導入剤のセット。一年ごとに薬剤を地域の指定組織にマイナンバーカード持参で交換に行く。もはやこれまでとなったら、お薬ドーンと打っておしまい。メスキット自体に生体認証システムを組み込み、終わったら”まいーどー”と引き取りに行けばスムーズな後始末となる。でも、お約束特殊詐欺に引っ掛かりお薬、根こそぎ持っていかれるどうしようもない高齢者がでてくるに違いない。