岩宿のカタクリと赤城自然園 2023年4月1日
カタクリの花を見たいとWebを見ていたら、群馬県みどり市笠懸町阿左美の稲荷山というところにカタクリの群生地があるらしい。後で知ったのだが1994年7月26日に”市の天然記念物”となっていた。東松山市に暮らしていると群馬県は近い。ほんの目と鼻という感覚。埼玉県北部に暮らすようになって距離の感覚がだいぶ変わった。10kmくらいだと”目と鼻の先”。10km-20kmは”すぐそこ”。30km-50kmは"近いよ”。100km以下、”割と近い”。カタクリ群生地から割と近くに赤城自然園という自然公園があったので梯子をすることにした。老人のいくところは概ね神社仏閣か植物がらみの庭園、公園と相場が決まっている。暖かくてお出かけ日和。上武道路を快適に走り県道79号線からみどり市岩宿博物館の駐車場へ入る。第28回 カタクリさくらまつりというのが開かれていて立て看板があちこちに立っている。時間が早かったので駐車スペースもまだ十分に空きがあった。桜は満開を少し過ぎたくらいで花弁が散りだしているが春の日差しに負けず華やか。関係者と思しきおじさんにカタクリの群生地はどこですかと聞くと。ここをまっすぐ行ったところだが、今年は気温が高いのでもうほとんど咲き終わってしまった。それでもまだ少し残っているとのこと。
歩き出すと、これ持っていきなさいよと袋を渡れた。とりあえずカバンにしまう。教わった通り道を進む。少し進むとカタクリの葉がたくさん生えているが花は咲き終わった雰囲気。さらに進むとカタクリの花が咲いていた。
よく見るとあちらこちらに一輪、こちらに二輪と咲いている。薄紫の淡い色のもの、濃い紫、紅紫など少しずつ色が異なっている。カタクリ以外にもニリンソウ、すみれ、タンポポなどたくさんの野草が花をつけていたが、”この花は朝顔ではないということは解る”というレベルの老人には具体的な名前は解らない。立派な花もよいが、野草もきれいで愛らしい。
ぽかぽか陽気の中ゆっくり見て歩くと気分も何となく安定してくる。すれ違うと皆にこやかに挨拶をしていく。もと来たところへ戻ると、駐車増横の広場ではキチンカーやテントで飲食物を販売している。テントで地元の婦人会がまんじゅうを販売していた。あんこと高菜の2種類。さっき出来上がったのだそうだ。地元に人は20個、30個と大量に買っていく。高菜まんじゅうは皮が薄黄色で高菜と人参などがたっぷり入っている。結構大きくて一金120円也とお買い得価格。格別においしかった。日が少し高くなり気温も上がると桜が散りだした。
先ほど渡された袋を見ると、ガムとポケットティシュ、パンフレットが入っていた。ポケットティシュの外側にDRUGと書いてあるのが目に入り、ドラッグストアが協賛しているのかとよく見るとNO、DRUG。同封のパンフレットを見ると群馬県警の薬物やめよう案内だった。今時まだ”お薬ちょうだい”の人がいるのかとパンフレットを読むと、お薬の種類が増えているみたいだ。昔は(老人の昔は半世紀が基準)ヒロポンがほとんどだった。ポン中はそれほど珍しいことではなく、日常よく目にした。見分け方は外だと物陰、室内だと部屋の隅。ペッペッと唾を吐き、”なんで俺のほうを見たんだよー”などとブツブツいう。近寄ると汗臭い。よくわからないのだが、覚せい剤で神経を過敏にして、酒を飲んで神経を弛緩させている。大体頭おかしくなりますね。しかも顔は薬焼けか酒焼けのドス黒。本人に言わせると格別気持ちがよいとのこと。ぐっすり寝てさわやかに目が覚め、ぐっと伸びをして朝の排便、ズヨッと一気出し。大腸のあたりがスースーするのとどちらが気持ちよいのだろうか?
急ぐたびではないのでのんびり336号そしてからっ風街道を走る。晴れているが、少しカスミがかかって赤城山もぼんやりとしている。集落や神社、寺院、道祖神、古い民家、古い商店、それらの庭や周りに咲く花など見ながら走りたいが、後続の迷惑になるので眦決してアクセルを踏む。40分ほどで赤城自然園に着く。今日から開園なので駐車場は込み合っているが案内の人が仕切ってくれるので駐車できないということはない。
高原なので、平地より花は遅いようで、まだほとんどがつぼみの状態。それでも少しは咲いている。新芽が出だしたばかりの木々の中、咲いている花はくっきりと目立つ。一日ごとに咲きだしてくるだろう。園内は3エリアに分かれ、もれなく回って約2時間とパンフレットに書かれていた。歩くところには木の皮が敷いてあり歩きやすいし分岐には道標もあるので迷うこともない。
ところどころ休憩所がありそこでは飲食が可能だけれど飲酒は不可の模様。トイレもところどころにあるので安心。当日は入り口で調理パンやコーヒーを販売していた。すぐ脇にある展示棟にはテーブルと椅子があり、買ったパンを食べている人もいた。来ている人は圧倒的に老人夫婦と思われる2人連れ、中年以上の婦人グループ、家族連れ、カメラ持ち単独老人、ごくまれに若いカップル。まったく見ないのが男の2人連れ。あんたは男同士で来るかと聞かれれば”来ません!!”となるので納得する。
カタクリの花はここでは自生か植生かわからないがたくさん咲いていた。ちょっと高低差があるが大したことではなくこの季節だと少し汗ばむくらい。救急セットが置いてある道標もある。さらにどうしようもなくなり、最早これまでという状況でもカートを呼べるので安心。さわやかな空気を吸いながらの散策はストレスの軽減によいかもしれない。暗くなってからの運転は疲れるので、午後3時ころ帰路につく。上武道路から深谷市内へ出てロードサイド店で釜めしを食べ、明るいうちに家に到着。日が長くなったのはありがたい。鉄道利用だと渋川から本数は少ないが路線バスとシャトルバスがあるようだ。とんぼ返りするわけではないので本数はあまり気にしなくてよいが、最終バスだけは確認しておいたほうが良い。最終のバスに乗ると渋川についてもほとんどの飲食店は午後休み中なので、高崎へ出て一杯飲むのがよいような気がする。大きなお世話だが参考までに。