職業お迎え待ち独居老人

東松山市在住


上岡観音の絵馬市 2023年2月19日

上岡観音 絵馬市に行く大急ぎで支度をして東松山駅前からバスに乗る。見慣れた風景も車窓越しに見るとまた新鮮な味わい。午前10時を少し過ぎたころ上岡のバス停につく。交通整理の警官や消防車。駐車場には観光バスまで来ていて、普段の静かなたたずまいとは一変している。今年の奉納は午前11時ということになったようで間に合った。境内で知り合いに会う。

上岡の絵馬市

まだ御神馬は小さな馬場というか控室というか、そんな感じの場所に衣装を着けて待機していた。白馬でだいぶお年寄りに見える。俄然親近感がわいてくる。少し時間があるので先にお参りをする。本堂内はいろいろと置物みたいなものが雑然と並べられており、鄙びた雰囲気がなかなか良い雰囲気

上岡の絵馬市

境内を歩き回る。露店がいろいろと出ているが、農具を売っている露店は人が多い。特に老人たちが真剣な目で鎌や鍬、小物類を見ている。相当高齢な人も、昔それらを使って現役で労働していた時代を懐かしんでいるのかもしれない。私も丹青や秋月で商品を見ていたらそんな風にみられるのだろう。そういえば秋葉原には久しく行っていない。

上岡の絵馬市

馬頭観音がある観音堂は国道407号に面しているが、管理をしている曹洞宗の寺院妙安寺は少し奥にある。一応お参りをしておこうと本堂へ向かう。本堂の少し手前にお神酒が置いてある。近づいていくと”飲んでいきませんか?"と声がかかる。当然いただきます。茨城の酒造会社が仕込んだお酒。酒器もなかなか味わいのあるものでお神酒係の人に聞いたらなかなか古い由緒のあるものだそうだ。参道では焼き芋の露店がでて、焼き上がり時間などを参拝客に伝えている。時間を聞いて予約していく人が結構多い。品種は”紅はるか”と紙に書いてあった。

上岡の絵馬市

参拝が済んだ頃、先ほど待機していた神馬など2頭とポニー2頭。それにご僧侶、関係者が集まってきた。勢ぞろいが済むと段雷が鳴り響き、長柄錫杖を持った人を先頭に馬頭観音 妙案禅寺と書かれた法被を着た人に引かれ、神馬、茶色い馬、白いポニー、黒いポニー、ご僧侶が続き観音堂へ向かう。まじかで見る馬さんはなんだか緊張しているように見える。皆一様に目が柔和でかわいい。ただご僧侶全員マスク姿なので威厳がなく、胡散臭い"秘密結社"の集会に参加する集団みたいで不謹慎だが少し滑稽感が漂い肩の力が抜ける。

上岡の絵馬市

立派な馬の銅像の前で最初の奉納。妙安寺の住職が読経。行列のご僧侶が持っていた供物並べる。人の頭で詳細は分からないがニンジンを真ん中に大豆など5種類。続いて観音堂へ移動。わさわさと人が寄ってくる。馬さんの後ろに近づかないように注意して、人垣を少し後ろに下がらせる。読経と何やら簡単な振りがあり終了。馬さんに付き添っていた婦人が馬さんに”さあさあ終わりだよ”と声をかけ、馬さん、ポニーもほっとした感じで小馬場に入っていった。

上岡の絵馬市

神馬は別の神馬舎に入り、参拝客からニンジンをもらっていた。食べているのを見ていると、歯が少し抜けているようだった。参拝客が写真を撮り終わると、衣装をとってやれやれといった感じが伝わってくる。馬さん普段は埼玉県日高市の牧場で暮らしているようだ。

上岡の絵馬市

さて、メインのイベントが終わったので、露店で何か買って冷酒でも呷ろうかとプラプラと歩いて行ったが、酒類の販売がない。急いでいたので途中でワンカップ等の購入をしていない。途方に暮れていると、雨がぽつりと落ちてきたので急いで帰ることにする。概ね2時間ほどだがこんな散歩もとても楽しい。